GPSは登山に役に立つ?

GPSを携行する登山者も増えてきました。山で使っている方を、時々見かけます。

GPSは衛星の電波で現在位置を知ることができる装置ですが、読図ができない人でも現在地確認が簡単にできるとあって、普及し始めているようです。

私もGPS、持っていますが、登山で本当に役に立つのかというと・・・

やはり『コンパス+2万5千分の1地形図』が、山での現在地確認の基本だと思います。

「あんたは古い山屋だから」、と言われてしまえば、まあその通りなのですが(笑)、 日本山岳協会遭難対策委員会が指摘しているように、GPSは万能ではありません。

実際、GPSに頼っていたために道迷い遭難してしまった事例が報告されています。

私自身は、GPSはあくまでも読図の補助ツールとして利用するのが正解と思っています。

このGPSを歩行地図代わりにしている登山者もたまに見かけますが、平気で50メートルぐらい誤差が出てしまうこともあるし、私自身はこれに頼って歩く気がしません。遊びでログをとったりはしていますが、やはりメインは2万5千分の1地形図です。

せっかく何万円もするツールを買ったのですから、十分に使い倒したいと思うのは人情ですが、「壊れる」「バッテリー切れ」といった「使えなくなる」可能性が多分にあるデジタル機器、アウトドアでこれに頼るのはいかがなものでしょうか。

もちろん、登山でGPSは使えない、などと言うつもりはありません。濃霧にまかれて現在地がわからなくなってしまった場合など、GPSは大いに役立ってくれると思います。

「展望のない樹林帯で道迷い遭難してしまい救助を要請したい」などという場合にも、救助ヘリに現在地を知らせるのに有用でしょう。パーティーに1台、非常用としてGPSあれば安心なのは間違いありません。そのような意味で、私も登山にGPSを携行しています。

しかし目的はあくまで「補助」で、それ以上のものではない。過信は禁物。私見ですが、そのような意識は持って、GPSを使ったほうがいいと思います。

GPSフィールド活用ガイド

*最近はGPS内蔵のデジカメも発売されています。カメラとGPS、2つ持つ必要がないのでよさそうですね。

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