あめ玉7個と水で2週間 30歳生還 埼玉・両神山
27日午後3時5分ごろ、埼玉県小鹿野町の両神山(標高1723メートル)の七滝沢で、東京都大田区の会社員、多田純一さん(30)が座り込んでいるのを、捜索していた県警山岳救助隊が発見、同県秩父市の病院に搬送した。多田さんは14日朝「これから登ります」と家族にメールをしたのを最後に連絡がとれず、家族が15日未明に捜索願を出していた。
同救助隊によると、多田さんは左足を骨折しているが、命に別条はない。持っていたあめ玉7個と沢の水を飲んでしのいでいたという。発見時には防寒用に薄手のジャンパーを着ていた。衰弱していたが隊員に「手を握ってほしい」と求め、隊員が応じると涙を流して喜んでいたという。
多田さんは13日夜に家族に「秩父の百名山に登る」と言い残して自宅を出発。1人で入山したらしい。登山の経験は少なかったという。
(2010年8月28日 毎日新聞)
両神山の七滝沢コースは、今では地図で、実線でなく破線で書かれているコースです。鎖場が連続し難易度が高く、しかも入山者が非常に少ないので、「登山の経験が少ない」人が歩くコースではないですね。
事故の原因が滑落によるものか、道迷いの末の遭難なのか・・・この記事ではわかりかねますが、救助されたのは不幸中の幸い、何よりです。死亡遭難事故になっていた可能性も大きかったと思いますから。
何とか生還できた理由を考えてみると、
1.骨折して歩けなかったため、逆に体力が温存された
2.天候に恵まれた(雨の日があれば、どうなっていたか・・・)
3.沢の水を飲める場所だった
4.入山前にメールを送り、結果として初動体制が早まった
の4点が大きいと思います。このうちの1点でも欠けていれば、取り返しの付かない事態になっていた可能性が高かったでしょう。
ただ、『沢の水と2日で1個の飴玉』だけで2週間持ったのですから、このこと自体は我々登山者に貴重なデータを与えてくれる事例だと思います。『2~3日ぐらい何も食べなくても、水さえあれば死にはしない』ということですね。
バリエーションルートの厳しい登山を経験した人なら、『そんなの当たり前だろ』といった感じでしょうが、一般登山者の方には案外そうではありません。
食料が尽きそうだから悪天の中無理な下山を敢行し、結果として助からなかった・・・という事例がありますので。
同救助隊によると、多田さんは左足を骨折しているが、命に別条はない。持っていたあめ玉7個と沢の水を飲んでしのいでいたという。発見時には防寒用に薄手のジャンパーを着ていた。衰弱していたが隊員に「手を握ってほしい」と求め、隊員が応じると涙を流して喜んでいたという。
多田さんは13日夜に家族に「秩父の百名山に登る」と言い残して自宅を出発。1人で入山したらしい。登山の経験は少なかったという。
(2010年8月28日 毎日新聞)
両神山の七滝沢コースは、今では地図で、実線でなく破線で書かれているコースです。鎖場が連続し難易度が高く、しかも入山者が非常に少ないので、「登山の経験が少ない」人が歩くコースではないですね。
事故の原因が滑落によるものか、道迷いの末の遭難なのか・・・この記事ではわかりかねますが、救助されたのは不幸中の幸い、何よりです。死亡遭難事故になっていた可能性も大きかったと思いますから。
何とか生還できた理由を考えてみると、
1.骨折して歩けなかったため、逆に体力が温存された
2.天候に恵まれた(雨の日があれば、どうなっていたか・・・)
3.沢の水を飲める場所だった
4.入山前にメールを送り、結果として初動体制が早まった
の4点が大きいと思います。このうちの1点でも欠けていれば、取り返しの付かない事態になっていた可能性が高かったでしょう。
ただ、『沢の水と2日で1個の飴玉』だけで2週間持ったのですから、このこと自体は我々登山者に貴重なデータを与えてくれる事例だと思います。『2~3日ぐらい何も食べなくても、水さえあれば死にはしない』ということですね。
バリエーションルートの厳しい登山を経験した人なら、『そんなの当たり前だろ』といった感じでしょうが、一般登山者の方には案外そうではありません。
食料が尽きそうだから悪天の中無理な下山を敢行し、結果として助からなかった・・・という事例がありますので。