軽量化についての考え方

軽量化・・・今はかなり気を使い荷物はテント泊2泊3日でも14キロ以内に収めるよう工夫しています。これくらいの重さなら、衰えた今の私でもなんとか最大8時間ぐらいは歩けますので。

底なしに体力のあった学生時代は、荷物を軽くすることなど全く考えたことがありませんでした。大学ワンゲルは『重いザックを担げる奴がエライ』の世界でしたからむしろ重量化思想があり(笑)、今となっては懐かしい話ですが、合宿にウクレレギターやメンバーに振る舞うための缶ビール1ダースを持って行ったりしたものです。

大学3年の秋に社会人山岳会にも入会し、次第に厳しい登攀をするようになったことで、軽量化についての技術や工夫を学び始めました。交通事故でヒザを痛めてからは荷物の重さに非常に気を使っていますが、このころの経験が大きく生きています。

軽量化の基本は、「あれば便利なものは無くても大丈夫なもの」であり、「安全に関わる物は絶対に削らない」ということです。「自分の技術・体力と照らし合わせ、この山行ならこれは無くても大丈夫、ここまで削っても最悪の事態に対処できる」という点を見い出すのが、登山における軽量化と思います。

私の場合寒さには強いので、厳冬期の山でもシュラフは最高級ダウンの一番羽毛量が少ないモデルですし、夏場ならシュラフカバーだけということもあります。また最近の登山装備は非常に軽いものが売りだされているので、それも積極的に導入するようにしています。値段が重さと反比例するのが残念ですが(笑)。

しかし軽量化に凝り固まり山の楽しみも削ってしまうのは、これまた本末転倒。例えば私ですと、コーヒをいれるパーコレーターは絶対に外せないアイテムです。未明の薄闇のテントの中、ガスストーブの上でポコポコと音を立てるパーコレーター、そして朝焼けに輝く山を眺めながら飲む一杯の香り高いコーヒー・・・この至福の時間なしに、なんのための登山でしょう(私にとっては、ですよ)。

人によって「絶対に外せないアイテム」はカメラであったり、絵を描く道具であったり、または安眠のための道具かもしれません。全ては自分の技術と体力を見極め(ここが重要)、軽量化と楽しみのバランスをとることが重要かと思います。

フィード