雨の山

自分も中年と言われる年代にさしかかり、登山の嗜好がかなり変わってきました。その最たるものが、樹林帯歩きや雨の日の山も好きになったということです。

20代の頃は樹林帯歩きなど岩場へのアプローチでしかなく、雨も苦痛以外の何者でもありませんでしたが、今では濡れた森の匂い・雨の音・独特の静けさに包まれていると、心の底から安らぎを感じます。もちろん土砂降りの悪天は今でもご免こうむりたいですが(笑)。

交通事故のリハビリに、日帰りでマイナー低山に出かけた日の感動は忘れられません。その日は雨が降っていたので最初から頂上を目指す気もなく、気の向くまま何度も大休止を取りつつ一人で歩きました。そして、そこで初めて雨の山の魅力を知りました。

もちろん、学生時代と違い、高性能の防水透湿性雨具やアンダーウェアなどの装備を揃えることができているのも大きいですが、雨の山を心から楽しめる自分が今います。

ヒザへの負担ということを考えれば、歩き主体の登山よりクライミングのほうが負担が少ないのですが、やはり年をとったということでしょう(笑)、岩場をガツガツ攀じるより、のんびりと樹林帯を歩くほうに魅力を感じている昨今です。

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