ドキュメント生還-山岳遭難からの救出

絶体絶命の状況に追い込まれた遭難者が、何を考えどう行動したのか。その結果として力尽きて死んでいく者と九死に一生を得る者との差はどこにあるのか。生きて帰ることのできた者は、どのようにして生をつなぎとめていたのか・・・・・・。

実際に遭難から生還した8つのケースを、事の起こりから命からがら救助されるまで、遭難者自身へのインタビューも交え、詳しく解説しています。

生と死を分けたもの・・・。ある人は「偶然もっていたお土産のわさびマヨネーズ」であったり、「たまたま家族に知らせていた行動計画」であったりするわけですが、最終的には例外なく、「いたずらに動き回って体力を消耗するのではなく、一か所にとどまってジッと救助を待ったこと」が生還の決め手となっています。

遭難の前段階から決定的なラインを超えてしまうまでには、精神的なファクターも大きく関わってきます。そして、遭難状態に至るまで、さらにそこから救助されるまでの思考の過程は、当事者になってみなければ分かりません。そういう意味で、この本は登山をする方全てが知っておくべき、多くの示唆があります。

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