滑落の長男を助けようと、25歳父親転落死

(2009年10月)4日午後3時半頃、神奈川県伊勢原市の大山(1252メートル)で、下山中の同県相模原市、Mさん(25)が、登山道から滑落した小学1年の長男(6)を助けようとした際、誤って約60メートル下の沢に転落し、脳挫傷で死亡した。

長男は約10メートル滑落し、顔に擦り傷を負ったが、自力で斜面をはい上がり、別の登山者に救助された。

伊勢原署の発表によると、現場は標高約700メートルの中腹付近で、Mさんは長男と妻(26)、次男(4)の4人で午後3時頃から下山し、Mさんが山側、長男はがけ側を手をつないで歩いていたという。


(2009年10月5日・読売新聞の記事より引用・一部改変)


家族での楽しい登山が一転、なんとも痛ましい事故となってしまいました。

ニュースソースからでは大山のどの登山ルートを通っていたのかがわかりませんが、4歳の子供でも歩ける道となると、ケーブルカーで阿夫利神社まで行き、見晴台を回って大山山頂を目指すコースかと思います。大山はまさに私の地元ですが、丹沢山系の大山は非常に道も整備されているので、どこで滑落してしまったのか、正直なところ見当がつきません。

とりあえずその点はおいておいて、遭難事故(登山に限りませんが・・・)が発生した際に第一に考えることは、「二重遭難を防ぐ」ということです

パーティーのメンバーが滑落してしまった場合、リーダーがまず第一に考えることは、状況を把握しパーティー全体の安全を確保すること。パーティーを安全な場所に移動させた上で、自力救助が可能なら、救助者の安全を最優先事項として救助活動を行います。

滑落したお子さんも自力で斜面を這い上がれたとのことなので、その心得があったら・・・と残念です。

溺れた子供を助けようと海に飛び込み、逆に自分が溺れてしまう・・・。そのような事故はよくありますが、二重事故を防ぐ冷静さが、事故発生時には最も重要なことです。

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