埼玉県の防災ヘリ再開のめど立たず 隊員ら精神的ショックで

埼玉県秩父市の山中で7月25日に県防災ヘリコプター「あらかわ1」が墜落、県防災航空隊員ら5人が死亡した事故で、同僚隊員らが精神的なショックを受け、現在定期検査中のもう1機の防災ヘリ「あらかわ2」の運航再開のめどが立っていないことが10日、わかった。

 県が同日、さいたま市で開いた県内36消防本部の消防長らを集めた会議で明らかにされた。

 県によると、今月6日に総務省消防庁から派遣された医師と臨床心理士が、県防災航空隊員と防災ヘリの運航を委託されている本田航空の操縦士の約25人を対象にカウンセリングを実施。その結果、数人が重症と診断された。

 県ではこれまで防災ヘリ2機を所有していたが、墜落事故で「あらかわ1」を失い、現在は「あらかわ2」だけとなっている。だが、隊員らの精神的なショックが大きく、「あらかわ2」の検査が終了する16日以降の運航再開時期については見通しが立っていないという。

 この日の会議では、近く「山岳救助活動ガイドライン作成委員会」(仮称)を設置するほか、殉職者合同葬を9月2日にさいたま市内で開催することなども明らかにされた。


(2010年8月10日付 産経新聞より引用)


昨年の穂高での救助ヘリ墜落に続き、埼玉でも痛ましい二重遭難事故が起こってしまいました。

ニュースによれば、隊員の方々もショックを受けていらっしゃるとのこと。5名もの仲間の命を失ってしまったのですから、当然です。一日も早く心の傷が癒されることを祈るばかりです。

救助隊員の方々は見ず知らずの登山者のために、文字通り命を賭けて救助活動に当たられています。ご遺族の方は、『どうして趣味で遊びに来た登山者のために・・・・』という思いを少なからず持たれているはずです。

私たち登山を愛するものはすべからくその事実を胸に刻み、遭難事故を起こさないよう万全の備えを怠らないようにしましょう。

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