ビバークのしかた

怪我や天候不良で行動できなくなってしまった場合、ビバークをしなければならなくなります。ビバークとは、簡単に言ってしまえば『山の中での野宿』ですが、具体的なビバークの方法を紹介します。

まずビバークに必要な装備は、ツェルトと呼ばれる簡易テントです。テントと言うよりは、「テントの形をしたペラペラのナイロンシート」と言ったほうが近いですが、これがあるとないとでは、ビバークに天国と地獄ほどの差がでてきます。


(ツェルト)

写真はポールでテント型に組み立てていますいますが、遭難時に設営する余裕はありませんから、ポールは必要ありません。ザックを地面にしいて座り、頭からすっぽりツェルトをかぶりナイロン生地の余りの部分をガバっと足下にたくし込んで風にはためかないようにするだけです。慣れていれば強風悪天下でも1分とかかりません。中で折りたたみ傘を広げるとかなりすごしやすさがアップします。

中でろうそくの一本もつければ、冬山でも暖かく感じます。『いざというときは、ツェルトをかぶって中で傘を広げる』と覚えてください

重さも一人用(横にならずに座れば、4人でも使えます)のものなら、たった300グラム程度。登山用の超軽量折りたたみ傘とあわせても5~600グラム程度、缶ジュース2本分ぐらいの重さですから、かならず携行するようにしましょう。山行時は雨蓋の中などザックからすぐに取り出せるところにパッキングしてください。

テント山行の場合はツエルトを携行しませんが、悪天強風などでテントを張る余裕のないときは同じようにかぶるだけでもOK、しばらくして余裕が出てきたらしっかり張り直せばいいのです。臨機応変に非常事態に対応しましょう。

また、ビバークを経験しておくことも非常に有効です。一年に一回程度、日帰りできる近郊の低山で、あえてツェルトビバークをする山行を計画してみましょう

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