漁船から転落、救助まで3時間立ち泳ぎ

(12月)12日午前11時頃、漁船「天洋丸」(4・9トン)が、海岸で座礁しているのを近くにいた漁船が発見し、海上保安部に通報した。

 船長(35)の姿が見あたらなかったため、同海保などが周辺を捜索し、約2時間後、同海岸の南西約8キロ沖で漂流しているところを別の漁船が見つけた。病院に運ばれ、低体温症と診断されたが、命に別条はないという。

 同海保によると、午前10時頃に漁網に付いたロープが足に絡み、海に転落。かっぱと長靴を脱ぎ、長袖シャツとズボン姿で約3時間、立ち泳ぎを続けていたという。船は自動操舵(そうだ)のため、同町の海岸に向かって進み、座礁した。

 「約1キロ先の島まで泳ごうとしたが、海流が逆だったため、体力を温存しようと立ち泳ぎをして救助を待った」と話しているという。

(2010年12月12日付 読売新聞より引用・一部改変)



山ではなく海での遭難ですが、海でも山でも遭難時の原則は同じですね。落ち着いた行動と「体力を温存」したのが、助かった最大の原因でしょう。

船から転落すれば、普通はパニックになり船を追いかけるなり海流に逆らって岸へ向かい泳いでしまうなどするものです。が、かっぱと長靴を脱いで3時間立ち泳ぎ・・・さすがは海の男、素晴らしい判断です。

特に1キロ先に島が見えていたのに(海流を見極めて)そちらへ泳ぐことをしなかった、というのは、「こんなあっさりと書かないでください、読売新聞さん!」と声を大にして言いたいぐらいです(笑)。

例えば山で道迷い遭難し、はるか向こうの山麓方面に林道が見えたとしたら、どうしてもそちらに向かって歩こうとしてしまうでことしょう。あなたも胸に手を当てて想像してみてください。

が、これがやばいんですよねぇ。

船長さんの判断、本当に素晴らしいです。

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